犬猫の飼養施設の数値指標設定について【改善か改悪か】

B!

どうも、ナル(@naru_runa0610)です!

今日は犬猫の飼養施設の数値目標設定についてです。

 

先日こういったツイートを目にしました。

 

以前私は犬猫の飼養施設について、頭数や広さ等を数値で制限すべきと書きました。

詳しくはコチラをご覧ください↓↓↓

 

今回、このツイートを見たとき、

やっと数値指標ができて動物のおかれる環境も少しは良くなるなと思いました。

 

しかし内容をよく見てみるととても喜べるものではありませんでした。

今回はこの件について詳しく書いてみようと思います。

この記事を読むとわかること

ペットショップ等での飼養環境について
犬猫の生体販売の闇

法改正成立から施行までの流れ

2019年6月改正動物愛護法が成立しました。

ん?もう成立しちゃってるの?

そう思われる方も多いと思いますので、簡単に法律ができる流れを説明しておきます。

 

法律に詳しくない一般人からするとすごくわかりにくい話ですが、

法律ができる流れは、成立→公布→施行となります。

 

ポイント

法律は成立したのち、まずは公布されます。
公布とはこういう法律出来ましたよと、おおやけに知らせることです。
その後に施行されます。
施行されてはじめて法律として効力を持ちます。

 

今回の動物愛護法改正について言うと、成立はしているが施行はまだされていない状況です。(2020年2月時点)

 

 

動物愛護法改正で検討されている飼養設備の基準

中央環境審議会動物愛護部会で動物愛護法改正についての関係者ヒアリングが行われました。

その中で犬猫適正飼養推進協議会が数値指標の試案として出したものが、

今回のツイッターに出ている内容です。

 

難しい言葉や団体名が多いので簡単に説明しておきます(^^;

 

中央環境審議会動物愛護部会とは?

簡単に言うと今回のような動物愛護改正についての意見や情報を集めたり討議する会です。
定期的に行われており、例えば猫カフェの実態調査や、猫の夜間展示について等、
動物愛護に関する幅広い調査、議論や情報共有がされています。
過去の議事録などすべてこちらのリンクから見れます→中央環境審議会動物愛護部会

犬猫適正飼養推進協議会とは?

犬猫の飼養管理に関する国内の実態調査や、適正な管理に関する指針の検討・作成から、
動物取扱事業者への啓発などを官公庁、他団体との協調・連携し行っています。
犬猫適正飼養推進協議会HPはこちらのリンクから見れます→犬猫適正飼養推進協議会

 

 

そしてこれが犬猫適正飼養推進協議会が試案として出している数値指標です。

環境省HP 第53回中央環境審議会動物愛護部会より引用

 

 

飼養設備の広さ基準指標の諸外国との比較

今回の飼養設備の広さ基準指標(試案)での問題点について書く前に前提知識として体高(たいこう)ってどこの数値かを説明しておきます。

 

【体高】
四つ足を地面に着いて立った状態で計測し、地面から背中までの高さです。

これを理解していないと話がずれてしまうので、ここはしっかり理解しておいてください。

 

それでは今回の犬猫適正飼養推進協議会が出した試案の広さを見ていきます。

寝床(ケージ等)の高さ = 体高 ×  1.3

寝床(ケージ等)の幅(短辺) = 体高 ×  1.1 

 

数値だけではイマイチわかりずらいと思うので、わかりやすく例を挙げてみます。

資料が犬についてとなっているので、体高50cmの犬を例に見てみます。

イメージ的にはラブラドールレトリバーの小さめの子くらいです。

 

体高50cmで計算すると、寝床の広さは、

高さ    50cm × 1.3 = 65cm

幅(短辺) 50cm × 1.1 = 55cm

 

幅の長辺については指標試案に数値はありませんが、

通常のケージ構造から考えると、良くて幅(短辺)の1.4倍の70cmくらいでしょうか。

 

この数値から計算すると、

幅(短辺)55cm × 幅(長辺)70cm = 寝床の面積 0.385㎡

 

これはあくまで寝床の広さです。

実際の飼養スペースは以下の構成を想定しているようです。

飼養スペース = 寝床 + 生活エリア(運動場)

 

ただし、生活エリア(運動場)については数値指標設置せずとなっています。

これをふまえて諸外国の基準と比べてみましょう。

 

環境省HP 第53回中央環境審議会動物愛護部会より引用

 

資料が飼養スペース(寝床+生活エリア(運動場))での数値なので比べるのが非常に難しいのですが、

ドイツでは8㎡

オランダで1.5㎡

日本の試案が0.385㎡(寝床のみ)

 

 

飼養設備の数値指標試案の問題点とまとめ

今回は改正動物愛護法での、飼養設備の広さ指標試案について書きました。

法律の話はなかなか難しく、どう書けばみんなに伝わるか考えながら

何度も書いては消すの繰り返しでした(^^;

 

最後に私が思う飼養設備の広さについての問題点をまとめておきます。

  • 寝床スペースのみの数値設定にすべきでない
  • 試案の広さが動物がストレスなく過ごせる広さではない
  • 関係者ヒアリングはもっと幅広い識者からするべき

 

まず数値指標は諸外国のように飼養スペース全体で設定すべきです。

寝床のみの狭い数値指標では、悪徳なブリーダー等に法律を逆手にとられる可能性があります。

規定通りの広さだから問題ないと言われると、規定の無い今以上に厄介です。

 

そしてそもそも疑問なのが、関係者ヒアリングを受けている犬猫適正飼養推進協議会が

ペット事業、ペットフード事業関連の会員が多い点です。

 

飼養設備の数値設定を厳しくするとペット数、ペットフードの売上減少の恐れを気にしてるのでは?

そういう邪推をしてしまいます。

 

保護団体や保護活動家など幅広い意見を取り入れ、

犬や猫にストレスがかからないような指標数値を設定してもらいたいと思います。

 

それでは今日もまた一歩

猫と人の理想郷が近づきますように!

 

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